
リモート会議などでたまに相手の音声がおかしくなり、ロボットが喋っているような高音だけ聞こえる状態になったり、シャリシャリとした音になったりします。あるいは逆にそうなっていると指摘されたりします。
音声の問題というのは自身では聞こえないので、実際に喋るまで気付かないし、気づいたところで対処も難しい問題です。
調べてみると原因となる要素らしきものが複数見つかりました。
基本的に問題があるのは送信側の可能性が高いです。一つ一つ潰していくしかありませんが可能性が高そうなものから列挙してみます。
何らかの原因でネットワークの速度が遅くなっていると、このような症状になる可能性があるようです。
大きなファイルのアップロード・ダウンロードや外出先のwifiやモバイルルーターの性能によりネットワーク帯域幅が狭かったり遅かったりする場合に発生している可能性があります。
アップロード・ダウンロードを一時的に停止したり、場所を移動してネットワーク品質のよい地点に移動する等ためしてみると良いかもしれません。
可能であれば有線で接続して問題の切り分けをしてみましょう。
もしwifi接続やBluetooth機器を同時に使っていて問題がある場合、wifiの周波数帯の影響かもしれません。
2.4GHz帯はBluetoothや電子レンジ等でよく使われる周波数なので干渉が起こりやすく通信の遅延やパケットロスが起こりやすくなります。
もし変更可能であればwifiの使用周波数帯を5GHz帯にしてみましょう。
wifi接続の問題と同様ですが周波数帯が干渉している可能性があります。
ヘッドセットなどの機器をBluetoothから有線接続に変更して問題が起きないようであれば周波数帯が干渉している可能性があります。
可能であれば機器をBluetoothから有線接続にするかwifiの使用周波数帯を変更してみましょう。
またはマウスやキーボード等の複数の機器をBluetooth接続している場合は減らしてみてどうなるか確認しましょう。
一般的なリモート会議アプリケーションは音声パケットにUDPを使用しています。
UDPはTCPと違いセッションの開始と終了が明確ではありません。そのためネットワーク機器ではUDPセッションが終了したのかどうか管理(NATテーブル)が曖昧となります。
そのため使われなくなったUDPセッション情報が大量に残っている可能性があります。有効なセッションを探す時間が遅延の一因となってきます。
ネットワーク上の複数の機器が同様の状態になっているとその段数分、遅延が発生していきます。
また管理自体が曖昧(タイマー設定)なため、ネットワークの途中で終了したセッションと判断されてパケットが破棄されてしまう可能性もあります。
リモート会議アプリケーションが詰まっている訳ではないですが、アプリケーションを閉じることによってUDPセッションが閉じて結果的にこれらのセッション情報がクリアとなり上記問題が解消される可能性があります。
本質的には後述のVPNの項目と似ているのでVPNの対処も参考にしてください。
リモートワークを許可している会社のセキュリティポリシーとしてVPNは必須としているところが多いかと思います。
VPNはネットワーク経路の暗号化を担っています。この暗号化処理にはそれなりに時間がかかります。
さらに上記のようにwifiやBluetooth機器を使用しているとそれぞれの段階で遅延が発生し積算して最終的な遅延が大きくなっている可能性があります。
また、VPNを長時間使用しているとVPN内部で複数のセッション情報を持ってしまいルーティングキャッシュが膨大になったりキューが混雑していきます。
その結果、VPNの内部処理に時間がかかり音声パケットロスや遅延といったことが発生しやすくなります。
VPNを切断して(30~60秒あいだをおいて)再接続することで今までのセッション情報がVPNからクリアされてルーティングやキューが正常な状態に戻る可能性があります。
VPN機器は基本的にTCPに対して最適化されている場合が多くUDP処理の優先度が低い傾向があるようです。
クリアによる内部処理が解消された結果として音声パケットであるUDPの処理も滞りなく行われて問題が解消される可能性があります。
また、リモート会議アプリケーション自体が暗号化の機能を有している場合もありますので情報処理部門と相談してネットワーク設計の変更が可能か(VPNスプリットトンネル)話してみると良いかもしれません。
またSSL-VPNであればIPsec-VPNに切り替え可能か相談してみることも問題解決につながるかもしれません。
高機能ハードウェアデバイスにはノイズキャンセリング機能、いわゆるノイキャンを搭載しているものがあります。一方でMS Teams等はアプリケーションとしてノイズキャンセリングの機能を提供しています。
もしかして両方がオンとなっているとおかしな動作になるかもしれません。両方をオフにして問題の切り分けを行うと良いかもしれません。
ノイキャンの補正がロボット声の一因になる可能性があります。
MS Teamsを使用している場合、設定よりデバイスの項目でノイズ抑制がオフ以外になっていないか確認してみましょう。詳しくはこちら。
リモート会議で画像と音声等を同時にシェアするような運用をしていると、リモート会議を想定していない時期に購入したPCではもしかしてCPUのパワー不足で遅延が発生しているかもしれません。
特に事務作業のみの限られた用途向けでスペック選定したPCの場合、リアルタイムでの画像と音声の処理が追いついてない可能性もあります。
会議で音声のみにして問題があるかどうか切り分けてみましょう。
問題修正のために定期的にWindowsアップデート等で環境が変わると既存のデバイスドライバと干渉して動作がおかしくなってしまった可能性があります。デバイスドライバのアップデートも必要かもしれません。
Windowsアップデートは自動適用の設定になっているがデバイスドライバの自動適用はしない設定になっている場合が多いと思います。デバイスドライバのアップデートが可能かどうか確認してみると良いでしょう。
確認方法はWindowsのバージョンによって異なりますが、Windowsアップデートの画面付近にあります。下記スクリーンショットであればView optional updatesをクリック。別のOSバージョンであれば、詳細オプション->オプションの更新プログラムより確認できます。
音響系のチップはRealtekのチップが使われているケースが多いと思います。Realtekのドライバが更新一覧にあれば試してみる価値はあります。使用しているチップは各々違いますのでPCの仕様を確認してください。
有線でイヤホン等を使っている場合、なにかのタイミングでコネクタにぶつかり緩んでしまっているのかもしれません。一度抜いて、再度挿してみて問題ないか確認してみましょう。
この音声の問題は原因の特定が難しく問題も気付きにくいです。
今まで調子が良かったのに突然おかしくなった、といった場合は最近変化した点を中心に調べてみるといいでしょう。
根本的な原因はネットワーク遅延によるジッターやパケットロスにより音声補完が発生しロボット声に聞こえることが大部分を占めるようです。
ノイキャンによるロボット声は部屋の反響具合でも影響度が違ってくるかもしれません。また安いヘッドセットなども影響要因になるでしょう。
この情報が問題解決の一助に慣れば幸いです。